九州作業療法学会2022 in 佐賀
学会長 山口 洋一
(特定医療法人静便堂 白石共立病院)
謹啓 時下益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。平素より、格別のご高配を賜り厚くお礼を申し上げます。
この度、九州作業療法学会を2022年6月18日(土)~19日(日)の2日間、佐賀県にて開催致します。
ここ数年は新型コロナウイルス感染症による行動自粛など多くの活動が停滞し、人々の生活様式が変わり、新たな価値観が定着してきています。一方で近年、社会生活のスピード化などめまぐるしく変化する社会情勢の中にあって、我々作業療法士も日々進化しております。作業療法士として当然のことながら、この状況に適応し、対応することが重要な意味を持ちます。クライエントに対し、活動、参加に焦点を当てて働きかけること、そして作業療法士を育成してスムーズに世代交代のバトンを渡すこと、このような「つなぐこと」の重要性を感じております。
そこで今学会テーマは「維遂(いと)~育み、つなぐ。そして明日へ」と致しました。【維遂(いと)】の「維」には、「つなぐ、ささえる」の、「遂」は「成し遂げる」の意味があります。「つなぐ。つなげて、成果を出す」、正に作業療法の本質が問われるものを掲げております。
このような状況下での「作業でつなぐ、つなげる」という意識は、今後も不可欠な要素であろうと考えます。その対象は、クライエントのみならず、我々作業療法士や地域全体も含まれます。具体的には、クライエントと地域とのつなぎ、多職種と連携することが重要だと認識します。作業療法はこの「つなぎ」という特性としての技術、手法を持ち合わせるアプローチだと信じています。このことは領域や分野を問わず、作業療法士の意図(維遂)として、これまでも実践されてきており、今それが期待されていると言えます。
一方で、これまで積み上げた技術や手法を次の世代の作業療法士に伝え、育むこともまた重要な課題です。育むこと、様々な立場やフィールドでつなぐこと、そして未来の作業療法へとの思いで学会を展開して参ります。
感染症の収束の目処も立たず、予断を許さない状況にあるため、安心、安全にご参加いただけるように、オンライン開催と致します。たとえ対面でなくとも、多くの作業療法士でつなぎ合える場になれば幸いです。多くの方々のご参加を頂き、この学会が維遂(いと)になればと願います。新しい環境で新しいスタイルを準備しておりますので、皆様の積極的な参加という「つなぎ」をお願い申し上げます。
何卒、ご協力ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
謹白
2021年10月吉日